タイムカプセル
ポケットの中の宝物たちを
箱詰めしながら涙をこらえた
「また会える」
「世界は変えられる」
名も無き僕らが言った
ああ大人になった僕らは
思ったより無力でどうしようもなくて
忘れないように
こぼさぬように
怯えながら歩いてきただけ
目的地までひとつもこぼさず
出来るだけ早く
急かされるままに
あの日々が星のように輝いて
無力な僕を蹴っ飛ばす
ああ埋めたタイムカプセルを
掘り起こすのはもう少し先のことで
中身も忘れた僕らが
昔話始める前に
「また会おう」
「世界を変えよう」
もう一度名も無き僕らが言うから
蹴っ飛ばされた勢いのまま
世界を変えるまで